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Google流 ダイバーシティ&インクルージョンを読んだ


ダイバーシティ&インクルーシブとは何か

ざっくり言うと「仲間はずれにしない」「全人類と支えながら共生社会を作っていこう」的な感じかなと思います。壮大すぎるのでかなりざっくりですが、組織のダイバーシティが事業活動として活発になり、事業と組織の活動が結果として、社会をより良くなると言った理解をしました。

お互いのこと、本当の価値を知らない。

何かプロダクトを作る際に、ペルソナを決めてターゲティングして開発することがほとんどだと思います。しかしペルソナを作る段階でターゲティングを無意識に誤るというか、無視するというか実は、物凄い数のユーザーが本来潜在的にいたのにプロダクトがリリースされてしまっているというケースが発生しているんだなと改めて感じました。

これは類似正バイアスというもので、自分自身によく似た人たちのことをすぐに思い浮かぶことから起きる現象で、対象ユーザーを絞りすぎると多くの利益を無意識に取りこぼしてしまうことになってしまう可能性があります。そりゃ同じ目標というか同じ理念を持った人がその組織にいるわけなのでそうなってしまうのがほとんどなのは、容易に想像できます。

本の中でも固定概念に縛られて気付けないことがあると書いてありました。本書は、Google内のプロダクトや世の中のプロダクトがどういう形でインクルーシブにプロダクトを正しく作るのかのケーススタディが多数あって、どれもなるほどと頷く内容ばかりでした。

大事なこと

本書読み進めている中で、結局の所以下のことが大事なんだなと感じました。

  • 職位関係なく全員がダイバーシティ&インクルージョンを理解すること(お互いが尊重しあうこと)
    • この理解があると、普段接しないユーザーの考えることがわかる
  • ダイバーシティ&インクルージョンを組織に根付かせるには、生半可だとうまくいかない
  • 特別な知識は不要で、配慮と意識をもつこと

役員だったりPMだったりとどうせ僕らの考えなんて分かってもらえないみたいな感情を持つことが自分はたまにあったりしますし、同じような人は多いような気がしています。しかしこれでは本当にそのプロダクトが正しく、社会を良くするものなのかが分からないままになってしまいます。

特にダイバーシティとかってとにかく相互理解が必要不可欠で、コミュニケーションコストがバカ高いです。ここが生半可ではうまくいかない理由の1つだと思います。意図的に包括していかないと浸透しないし、何も変わらないんだなと思いました。

考え方

自分はフロントエンドエンジニアですが、「アクセシビリティは重要」と考えてはいるものの、実務としてしっかりと「アクセシビリティ」に向き合う機会がありませんでした。最近は業界的にも、重視され始めてきている印象を受けますが、この本を読んで「視野が狭かった」と反省しました。アクセシビリティってそもそも「ダイバーシティ&インクルージョン」があって初めて成立するもので、もっとインクルーシブな考え方が必要で、職位など関係なくまず関わる人全ての意識を揃える所から始めないと「中途半端なアクセシビリティ対応」になってしまうと感じました。

実際に本書では、ダイバーシティ&インクルージョンの導入の方法も記載されていますが、物凄く大変そうな内容に感じました。特別なスキルは必要ないという特性上、配慮と意識を全員持ってもらうのは、導入する方は、人間性を見られるなと感じたからです。最初は、軽く雑談ベースでみたいな感じではなくその人の成果と態度が大きく影響しそうです。(実際には1人でやるわけではないですが。。)

この本を読んで、よく企業とかにダイバーシティのページがありますが、今度からちゃんと見ようと思いました。