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Webアプリケーションアクセシビリティを読んだ(特に7,8章についての感想)


WEBアプリケーションアクセシビリティの書籍

1週間前ぐらいに、全部読み終わりました。各章の簡単な感想はツイートに垂れ流しています。

全章通して素晴らしかったのですが、特に7章と8章について個人的にすごい良かったので感想を書きます。

7章 アクセシビリティの組織導入

自分の所属している組織をアクセシビリティ組織にしていくための方法が記載されています。Slackでアクセシビリティに関するチャンネルを作って、情報を共有する所からはじめて仲間を増やしてコミュニティを作るなど、具体的な行動が順番に紹介されています。

これは個人の話ですが、今所属している会社でも、アクセシビリティ組織にしていきたいと思っているものの、中々行動に移せないで過ごしていました。以前「Google流 ダイバーシティ&インクルージョン」の本を読んでブログも書きましたが、しっかり取り組まないと「中途半端なアクセシビリティ対応」になってしまいます。改めて今回7章にかかれている内容を読んで、アクセシビリティ組織にしていくのは強い執念と、コミュニティの周りのサポートが絶対不可欠だと感じました。自分もこの7章の内容を参照に取り組んでみたいと思いました。

自信の考えを社内で発信する

社内のWikiなどでブログを書いて、ポストするなどして自分の考えをまずは社内の人に読んでもらう、身近の人に対してLTをする、職能を超えたLTをする順番に取り組むステップが良いなと思いました。自分も一度アクセシビリティの内容でLTをしましたが、継続をしていくのが大事だと思いました。

アクセシビリティを必要としている人に会う

ここに関しては、今まで本当に接点がなくいつか話を聴いてみたいと思っていました。具体的な会う方法がいくつか紹介されていたので試してみたいと思いました。

アクセシビリティの社内オーナーになる

自分はまだオーナーになる器ではないですが、「何故アクセシビリティに興味があるのか?何故取り組んでいるのか?」という問いを投げかけられた感じがしました。というのもこのセクションで、著者の方々がそれぞれアクセシビリティに取り組んでいる理由を書かれているからです。自分も改めて言語化するきっかけになってよかったです。

8章 アクセシブルなUI設計の原理を導く

この章では、アクセシビリティを考慮したUIを設計するためにどういうことを考えたほうが良いかのプラクティス(アンチパターン)がいくつか掲載されています。

まず本書に書かれた言葉で紹介したいのが、以下の言葉です。

「そのUIはその形で存在する必要がある」という前提を疑う

例えば、ドラッグ&ドロップやマウスオーバーのようなUIはそもそも特定のデバイスに依存しています。これをアクセシブルにするのは難しいので、別のシンプルな方法で置き換えることが可能なのかを常に意識することが大事だと言うことです。

アコーディオンやタブで情報を隠しておくことも「なんで折りたたんで非表示にしておくんだっけ?」と考えたときに「そもそも情報量が多すぎるから」というだけの可能性もあり、これはアクセシブルな設計とは言えないかもしれません。普段何となく作っているUIも本当にそのUIが適切なのかという意識は、常に持つことが大事だと改めて思うのと同時に、エンジニアだけが意識していても解決できないのでデザイナーや他の関わっている全ての人が対象だと思いました。

モーダルダイアログについてのアンチパターンも紹介されており、すごく共感しました。モーダルダイアログというのは、便利なことを良いことに本来の機能を見失ったUIが多いと僕も感じています。多分SPAでページ遷移せずにUIがインタラクティブに切り替わることも誤解を与えていると思っていて自分も、ページ全体がモーダル(フルモーダルとか呼んだりしています)を何個も実装してきました。やはりページ遷移をしっかり行うことがアクセシブルだと自分は思いますが、トレードオフとして「ステップが多くなる」など色々なことを言われます。そんな時に本書に書かれたことを説明して適切な提案がで出来るようになると感じました。

他にも無限スクロールだったり、様々なアンチパターンが紹介されているので、この章だけで仕事で関わっているチーム内で輪読会すると良いんじゃないかなと思いました。

他の章について

フォームだったり、ちょっとリッチなUIをアクセシビリティ対応していくための方法が書かれていてとても学びになるのでおすすめです。(自分も復習するような感じで読みました。)特に良かったのは、「カルーセル」「ツールチップ」は実装するな!と書かれていたことです!(言葉の温度感については書籍を呼読んでください)フロントエンドエンジニアが普段辛いなと思っていることを代弁してくれたという気持ちになり何か嬉しかったですww